美容鍼と栄養学
身体の巡りを良くすることは、内臓系の活動をアップさせる効果が期待できます。
消化やお通じ、代謝系の機能が効率よく動くことで、食生活も輝きます。
【鍼の施術は身体の流れを整理し、栄養の循環を整えます】
東洋医学では「気」「血」「水」が生命活動に必要な要素とされています。
「気」は生命活動を維持するエネルギーを指します。「血」は血液、生命力の源。「水」は津液(しんえき)と呼ばれ、唾液や胃液、汗、尿といった血液以外の体液を表します。
これらは、お互いをサポートしあって身体中を巡っており、非常に重要な要素とされています。また、いずれかが過不足であると身体のバランスが崩れ、不調の原因となると考えられています。それとは逆に身体の巡りが良く、整えられていれば、女性に大事な栄養素である鉄分、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などを高効率で利用できると考えられています。
【私たちの身体は食べるもので構成されます】
栄養学とは「食物栄養を化学に解明し、食生活を通して人の健康の維持・増進を目指す」学問です。油分の多い食品を摂れば脂肪がつきます。お肉を食べれば体づくりに役立ちます。さらには、肉体だけでなく精神にも影響を及ぼすというデータがあります。
肉食動物は激しく好戦的な気性ですが、草食動物は穏やかです。草原に暮らしているからといって、草花の全てがエサではありません。また、肉食動物以上に生存競争が厳しいはずなのに、それでも気性の激しい草食動物を見ることはできません。それは、草や木などを食べているためという説があります。
【美容鍼で栄養素を無駄なく巡らせる】
私たちの身体も、毎日口にする食べ物によって変わっていきます。良質の食品を適切なタイミングで適度な量をいただきましょう。もし、身体の巡りが乱れていたら、本当は充足しているのに身体が「栄養素が足りない」という信号を出すかも知れません。それは過食と栄養不足の原因となりかねません。せっかく得た栄養素の巡りが乱れていたらもったいないですよね。美容鍼は、摂取した栄養素の巡りを最大限に活かす方法でもあるのです。
【美しいシルエットをつくるために】
栄養学は美容鍼の施術に直接関係している訳ではありません。しかし、美しいシルエットを提供するためには、良好な身体に鍼を打つことで、より高い効果を得られるでしょう。そのためには、栄養学の知識が必要となってきます。食事アドバイスによって肌状態を高めた後に、リフトアップを試みることは、何もしない状態で施術するのとは天と地ほどの差があります。
本当の美容と健康を両立するためには、外(食品:鍼)と内(栄養素:巡り)の調和を整えることが大切だといえます。
【本コラムの監修】
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(鍼灸師)
・経歴
大学卒業後、TV局アナウンサー、PR会社勤務を経て、女性限定鍼灸サロンCALISTAを設立。雑誌・テレビなど掲載多数。多種の口コミサイトで高い評価を集める。美容鍼・経絡美容鍼灸の第一人者。著書に『~ココロとカラダがかがやく~ 美人のツボ』、『~女性限定鍼灸サロンが薦める~ 美ツボBOOK』がある。
・所属
伝統鍼灸学会全日本鍼灸学会
日本鍼灸師会
東京都鍼灸師会