鍼灸師が解説する胃もたれの効果的な解消法
日々お仕事を精一杯頑張る女性が増える現代。
日々のストレス、不規則な生活や食事により、胃がもたれて重く感じたり、キリキリと胃が痛くなったりした経験、ありませんか?そんなとき、ほとんどの方は、市販の胃腸薬を飲んだり、そのまま我慢したりしているのではないでしょうか。軽く考えていると同じ症状をくり返すようになり、やがて慢性化することも少なくありません。そうなると、食欲の減退、気分の落ち込み、睡眠障害などの症状が重なります。さらに、東洋医学では、胃腸と美容はとても強いつながりがあると言われています。
胃腸が弱まるとせっかくお肌や身体のために摂取した栄養素が、しっかり消化吸収されず、コラーゲン生成が活性化されなくなってしまいます。美容視点から考えますと、そこから、お顔のたるみにもつながると言われています。さらに血流も悪くなるので、くすみやニキビなどの肌荒れの原因になります。胃腸はお肌の鏡とも言われていますからね。さらに胃の痛み、もたれは身体の重だるさ、精神的な不安につながり仕事や家事に支障をきたすことになりかねません。
【胃もたれの原因】
胃もたれが起こってしまう原因として、以下の3点が挙げられます。
・胃腸が弱い場合
・暴飲暴食の場合
・ストレスが原因の場合
それぞれ、身体の中で、具体的にどのような変化があって、症状が現れたのでしょうか。
胃腸が弱い場合
繰り返す胃もたれなどの不快症状は、加齢や体調によって胃の働きが低下しているために起こります。
朝起きた時に胃がもたれている原因としては、前日の夕食が脂っぽいものであったり、夕食時間が遅かったりしたために食べものが十分に消化されず、胃内に滞留していることが考えられます。
暴飲暴食の場合
胃の働きに対して負担が大きくなっている状態。
食後に胃がもたれる、胃が重い、お腹が張る、吐き気、下痢というのは、胃の中の食べものが十分に消化されていないため胃に負担がかかっている状態です。食べたものの消化を助けてあげる必要があります。
ストレスが原因の場合
ストレスなどの影響を受けて胃の働きが低下傾向になると、胃の粘膜を守る粘液の分泌が少なくなり、また、食べものを消化するのに必要な蠕動運動も弱ってしまうため、食べたものが消化されず、なかなか十二指腸へ送られないので、胃もたれなどを感じるのです。
【胃もたれの対処法】
胃もたれが起こっている際、食べ物の選び方や、時間帯を考慮するだけでも効き目があると言われています。
対処方法について、ご紹介します。
消化の良い食べ物を摂り、胃に負担をかけないようにする
胃もたれが起きると食欲が落ちることがありますが、食事を抜くと胃が荒れることがあります。
こういう場合は少量でも良いので、消化の良いものを食べると良いです。
消化の良い食べ物の例として、以下が挙げられます。
おかゆ
うどん
豆腐
キャベツ
やわらかく煮た野菜
卵(火を通したもの)
白身魚
リンゴ、キウイ
など、食物繊維が少なく、味付けが濃くないものを摂ると良いです。
よく噛んで、ゆっくり食べる
いわゆる早食いは、食べ物をほとんど噛まずに飲みこんでいる状態になるため、胃で消化するための時間がかかり、胃もたれしやすくなります。本来、食べ物は口の中で噛むことによって、唾液の中に分泌されるアミラーゼという酵素の働きによって、消化しやすくなった状態で運ばれます。しかし、早食いをしてしまうことによって、本来の働きが活かされなくなってしまうのです。
アルコールを控える
やはり、アルコール、特に摂取しすぎは直接的に胃もたれの原因になりますので、採り過ぎないようにしましょう。
夜、遅い時間の食事を控える
夜、遅い時間や寝る前に食事をすると睡眠中も胃が働くことになり、寝る前に食べたものを消化します。そうなってしまうと胃は消化作業に追われ、休むことができまくなってしまうのです。そのため、朝の時間帯に胃もたれが起こってしまうのです。
【胃のもたれの解消法】
胃もたれの原因によって、セルフケアの方法も変わってきます。
なお、個人的には、焼肉の大量食いか、夜遅い時間のラーメンが最も胃もたれします・・・笑
それをやめれば、防げるとは思うのですが、なかなかあの誘惑には勝てませんよね!^^
そんな時は、一緒に食べるものの食べ合わせや、横になる際の身体の向きに気を付けるだけでも随分変わってきます。そのあたりも含めて、原因別の解消法をご紹介します。
胃腸が弱い場合
消化機能が低下しているため、食欲がなかったり、疲れやすかったりします。胃腸の機能を活発にさせて消化の働きを高めるため、大根、ニンジンな どを摂ると消化不良を改善しやすくなります。大根にはジアスターゼという消化酵素が入っているため 消化をを促しやすいです。ただ、生の大根は胃の熱を冷ます働きがあるので、胃が冷えてい る時は温かい物を摂った方が良いです。
暴飲暴食が原因であった場合
脂っこい物や繊維質を摂り過ぎないようにしましょう。消化不良で胃にたべものがいつまでも残っている為、胃もたれの症状が起きてしまうので、食 べ過ぎてしまた時は、症状が治まるまで横になって安静にされると良いです。横になる姿勢は胃を右下にすると胃の負担を軽減して消化がされやすく なります。
胃もたれや胃痛などの症状を慢性化させないためのポイントは、食事、運動、睡眠の3つに気を付けることです。
【食事】
・よく噛んで、ゆっくり食べる
※ながら食べには注意!唾液には消化作用があるので、よく噛んでゆっくり食べると、スムーズに消化できます。
・辛い物や脂っこいものはなるべくさける
・腹八分目にする
・夜10時以降や深夜の食事には、消化の良いお粥やお野菜中心のスープなどにする
※睡眠は身体を休めると同時に、胃腸や内蔵を休める時間にもなります。
東洋医学で胃腸に良いと言われる、とうもろこし、にんじん、じゃがいも、里芋、白菜、青梗菜、りんご、大根、かぶ、キャベツ、パパイヤ、パイナップル、キウイなどを積極的に食べましょう。
【運動】
運動不足が続くと、胃の機能が低下し、胃もたれなどを起こしやすく、食欲も減退します。また、運動はストレスを解消してくれます。ウォーキング、軽いジョギング、自転車こぎ、軽い筋トレもオススメです。
女性は腹筋背筋が弱い方が多いので、それが原因で消化不良や便秘になる方が多いです。ストレス解消効果があるので、自分が続けやすい運動を適度におこなうようにしましょう。
【睡眠】
睡眠不足が続くと、自律神経の乱れから消化機能が低下し、食欲の減退や胃もたれなどが起こりやすくなります。できれば、鍼灸で胃腸につながるツボをお灸で温め、胃の機能を促進させ体質改善をしてあげましょう。
【胃もたれに対する鍼灸セルフケア】
胃もたれのように、胃や腸に起こっている症状に効くツボをご紹介します。胃の働きを高めれば、胃もたれが楽になります。
・足三里(あしさんり):膝下の骨の突起した所の指2本分外側
・陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にある大きな骨のすぐ下
胃酸の分泌が多い時のは、足三里の刺激は控えておくと良いとされています。
1日2分間、夜お風呂上りに、テレビでも見ながら、ぐーっとツボ押ししてみてください。
【本コラムの監修】
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(鍼灸師)
・経歴
大学卒業後、TV局アナウンサー、PR会社勤務を経て、女性限定鍼灸サロンCALISTAを設立。雑誌・テレビなど掲載多数。多種の口コミサイトで高い評価を集める。美容鍼・経絡美容鍼灸の第一人者。著書に『~ココロとカラダがかがやく~ 美人のツボ』、『~女性限定鍼灸サロンが薦める~ 美ツボBOOK』がある。
・所属
伝統鍼灸学会
全日本鍼灸学会
日本鍼灸師会
東京都鍼灸師会
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